という人のための記事です。
今回は「群数列」について解説します。
わか
群数列は、様々な要素が絡み合って、よく分からなくなってしまいます。
分かりやすく解説したいと思います。
この記事を読むと
「群数列とは」
「群数列の3つのポイント」
「群数列で注目すべき1つのこと」
が理解できます。
ポイントを抑えつつ、整理しながら行けば解けるので、一緒に見ていきましょう。
群数列とは
群数列とは
群数列
「数列がいくつかのグループに分けられている数列」を「群数列」という
群数列の例
$$\underbrace{1}_{1群}\ |\ \underbrace{2,2}_{2群}\ |\ \underbrace{3,3,3}_{3群}\ |\ \underbrace{4,4,4,4}_{4群}\ |\ \underbrace{5,5,5,5,5}_{5群}\ |\ \underbrace{6,6,\cdots}_{6群}$$
初めのグループから順に、第1群、第2群、第3群、・・・と呼びます。
群数列で大切な3つのポイント
群数列を考える上で、大切な3つのポイントがあります。
1 全体の数列の規則性
2 群の分け方の規則性
3 群の内部の規則性
群数列は、この3つのポイントが絡み合うため、ゴチャゴチャしてわからなくなってしまいます。
ここを整理することで、群数列の問題は見通しよくなります。
群数列で注目する1つのこと
群数列は、次の点に着目すると問題解決することが多いです。
n群の最後の項が 「全体の何項目なのか」 「どのような数か」
$$\underbrace{○○○}_{1群}\ |\ \underbrace{○○○}_{2群}\ |\ \underbrace{○○○}_{3群}\ |\ \cdots\ |\ \underbrace{○○●}_{n群}\ |\ \cdots$$
●が「全体の何項目」で「どのような数」か考えると問題が解きやすくなります。
それでは実際に例題を見ながら、確認していきましょう。
例題1
問題
$$\ 1\ |\ 3,5 \ |\ 7,9,11 \ |\ 13,15,17,19\ |\ 21,23,25,27,29\ |\ 31,33,\cdots$$
(1)n群の初めの項を求めよ
(2)n群の総和を求めよ
解説
$$\underbrace{1}_{1群}\ |\ \underbrace{3,5}_{2群}\ |\ \underbrace{7,9,11}_{3群}\ |\ \underbrace{13,15,17,19}_{4群}\ |\ \underbrace{21,23,25,27,29}_{5群}\ |\ \underbrace{31,33,\cdots}_{6群}$$
まず3つのポイントを整理します。
1 全体の数列の規則性・・・等差数列(初項1、公差2)
2 分け方の規則性・・・等差数列(1個、2個、3個、・・・)
3 群の内部の規則性・・・等差数列
n群の最後の項を考えます
$$|\ \underbrace{○,○,\cdots,●}_{n群}|$$
「n群の最後の項」が「全体の何項目か」を考えると
項数は 1個、2個、3個、4個、・・・と増えていくので、
$$1+2+3+4+\cdots+n=\frac{1}{2}n(n+1)$$
(※補足1)
「n群の最後の項」は全体の \(\frac{1}{2}n(n+1)\) 項目
(1)解答
「●n群の最後の項」は全体の \(\frac{1}{2}n(n+1)\) 項目なので
「●n-1群の最後の項」は全体の \(\frac{1}{2}(n-1)n\) 項目
$$|\ \underbrace{\cdots,〇,●}_{n-1群}\ |\ \underbrace{☆,○,\cdots,●}_{n群}$$
「☆n群のはじめの項」は「●n-1群の最後の項」の次なので
全体の \(\frac{1}{2}(n-1)n+1\) 項目
全体の数列 \(\{a_k\}\) は、初項1、公差2の等差数列なので
\(a_k=2k-1\) (※補足2)
よって、「☆n群のはじめの項」は、k に \(\frac{1}{2}(n-1)n+1\) を代入して
$$2(\frac{1}{2}(n-1)n+1)$$
$$=n^2-n+1$$
(2)解答
「n群の最後の項」は
\(a_k=2k-1\) のkに \(\frac{1}{2}n(n+1)\) を代入して
$$2\{\frac{1}{2}n(n+1)\}-1=n^2+n-1$$
$$|\ \underbrace{(n^2-n+1),\cdots,(n^2+n-1)}_{n群(n項)}|$$
n群の総数は
初項:\(n^2-n+1\) 、末項:\(n^2+n-1\) 、項数n
の等差数列なので
$$\frac{1}{2}n\{(n^2-n+1)+(n^2+n-1)\}$$
$$=n^3$$
補足1
等差数列の和に関しては、以下の記事を参考にしてください
補足2
等差数列の一般項の求め方に関しては、以下の記事を参考にしてください。
例題2
問題
$$\ \frac{1}{1}\ |\ \frac{1}{2},\frac{3}{2} \ |\ \frac{1}{3},\frac{3}{3},\frac{5}{3} \ |\ \frac{1}{4},\frac{3}{4},\frac{5}{4},\frac{7}{4}\ |\ \frac{1}{5},\frac{3}{5},\cdots$$
(1)\(\dfrac{5}{9}\)は何項目か求めよ
(2)200項目を求めよ
解説
$$\underbrace{\frac{1}{1}}_{1群}\ |\ \underbrace{\frac{1}{2},\frac{3}{2}}_{2群}\ |\ \underbrace{\frac{1}{3},\frac{3}{3},\frac{5}{3}}_{3群}\ |\ \underbrace{\frac{1}{4},\frac{3}{4},\frac{5}{4},\frac{7}{4}}_{4群}\ |\ \underbrace{\frac{1}{5},\frac{3}{5},\cdots}_{5群}|$$
まず3つのポイントを整理します。
1 全体の数列の規則性・・・なし
2 分け方の規則性・・・等差数列(1個、2個、3個、・・・)
3 群の内部の規則性・・・分子:等比数列、分母:群
n群の最後の項を考えます
$$|\ \underbrace{○,○,\cdots,●}_{n群}|$$
「n群の最後の項」が「全体の何項目か」を考えると
項数は 1個、2個、3個、4個、・・・と増えていくので、
$$1+2+3+4+\cdots+n=\frac{1}{2}n(n+1)$$
「n群の最後の項」は全体の \(\frac{1}{2}n(n+1)\) 項目
(1)解答
\(\dfrac{5}{9}\) は 「9群の5項目」
「n群の最後の項」は全体の \(\frac{1}{2}n(n+1)\) 項目なので
「8群の最後の項」は \(\frac{1}{2}\cdot8\cdot9=36\) 項目
よって「9群の5項目」は 36+5=41
41項目
(2)解答
「n群の最後の項」は全体の \(\frac{1}{2}n(n+1)\) 項目なので
\(n=19\) のとき、\(\frac{1}{2}\cdot19\cdot20=190\)
\(n=20\) のとき、\(\frac{1}{2}\cdot20\cdot21=210\)
よって200項目は、「20群の10項目」
n群内の分子は初項1、公差2の等差数列なので
$$2k-1$$
よってn群内の10項目の分子は \(2\times10-1=19\)
よって「20群の10項目」は\(\dfrac{19}{10}\)
まとめ:群数列
「群数列」のまとめは以下の通り
群数列・・・数列がいくつかのグループに分けられている数列
整理するポイント3つ
1 全体の数列の規則性
2 群の分け方の規則性
3 群の内部の規則性
注目するポイント1つ
n群の最後の項が 「全体の何項目なのか」 「どのような数か」
「群数列」なかなか複雑です。
しかし、ポイントを抑えて理解すれば、解いていくことができます。
以上で解説終わります。少しでも参考になれば幸いです。それではまた。
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