【数列】群数列 3つのポイントを整理

数列

群数列って訳わかんなくなるんだよな、、、。

という人のための記事です。

今回は「群数列」について解説します。

わか
わか

この記事は、「わか」が執筆しています。

私「わか」(https://twitter.com/wakkachan2019)は、国立大学数学科を卒業後、数学教育に10年以上関わっています。

群数列は、様々な要素が絡み合って、よく分からなくなってしまいます。

分かりやすく解説したいと思います。

この記事を読むと

「群数列とは」

「群数列の3つのポイント」

「群数列で注目すべき1つのこと」

が理解できます。

ポイントを抑えつつ、整理しながら行けば解けるので、一緒に見ていきましょう。

群数列とは

群数列とは

群数列

「数列がいくつかのグループに分けられている数列」を「群数列」という

群数列の例

$$\underbrace{1}_{1群}\ |\ \underbrace{2,2}_{2群}\ |\ \underbrace{3,3,3}_{3群}\ |\ \underbrace{4,4,4,4}_{4群}\ |\ \underbrace{5,5,5,5,5}_{5群}\ |\ \underbrace{6,6,\cdots}_{6群}$$

初めのグループから順に、第1群、第2群、第3群、・・・と呼びます。

群数列で大切な3つのポイント

群数列を考える上で、大切な3つのポイントがあります。

1 全体の数列の規則性

2 群の分け方の規則性

3 群の内部の規則性

群数列は、この3つのポイントが絡み合うため、ゴチャゴチャしてわからなくなってしまいます。

ここを整理することで、群数列の問題は見通しよくなります。

群数列で注目する1つのこと

群数列は、次の点に着目すると問題解決することが多いです。

n群の最後の項が 「全体の何項目なのか」 「どのような数か」

$$\underbrace{○○○}_{1群}\ |\ \underbrace{○○○}_{2群}\ |\ \underbrace{○○○}_{3群}\ |\ \cdots\ |\ \underbrace{○○●}_{n群}\ |\ \cdots$$

●が「全体の何項目」で「どのような数」か考えると問題が解きやすくなります。

それでは実際に例題を見ながら、確認していきましょう。

例題1

問題

$$\ 1\ |\ 3,5 \ |\ 7,9,11 \ |\ 13,15,17,19\ |\ 21,23,25,27,29\ |\ 31,33,\cdots$$

(1)n群の初めの項を求めよ

(2)n群の総和を求めよ

解説

$$\underbrace{1}_{1群}\ |\ \underbrace{3,5}_{2群}\ |\ \underbrace{7,9,11}_{3群}\ |\ \underbrace{13,15,17,19}_{4群}\ |\ \underbrace{21,23,25,27,29}_{5群}\ |\ \underbrace{31,33,\cdots}_{6群}$$

まず3つのポイントを整理します。

1 全体の数列の規則性・・・等差数列(初項1、公差2)

2 分け方の規則性・・・等差数列(1個、2個、3個、・・・)

3 群の内部の規則性・・・等差数列

n群の最後の項を考えます

$$|\ \underbrace{○,○,\cdots,●}_{n群}|$$

「n群の最後の項」が「全体の何項目か」を考えると

項数は 1個、2個、3個、4個、・・・と増えていくので、

$$1+2+3+4+\cdots+n=\frac{1}{2}n(n+1)$$

(※補足1)

「n群の最後の項」は全体の \(\frac{1}{2}n(n+1)\) 項目

(1)解答

「●n群の最後の項」は全体の \(\frac{1}{2}n(n+1)\) 項目なので

「●n-1群の最後の項」は全体の \(\frac{1}{2}(n-1)n\) 項目

$$|\ \underbrace{\cdots,〇,●}_{n-1群}\ |\ \underbrace{☆,○,\cdots,●}_{n群}$$

「☆n群のはじめの項」は「●n-1群の最後の項」の次なので

全体の \(\frac{1}{2}(n-1)n+1\) 項目

全体の数列 \(\{a_k\}\) は、初項1、公差2の等差数列なので

 \(a_k=2k-1\) (※補足2)

よって、「☆n群のはじめの項」は、k に \(\frac{1}{2}(n-1)n+1\) を代入して

$$2(\frac{1}{2}(n-1)n+1)$$

$$=n^2-n+1$$

(2)解答

「n群の最後の項」は

\(a_k=2k-1\) のkに \(\frac{1}{2}n(n+1)\) を代入して

$$2\{\frac{1}{2}n(n+1)\}-1=n^2+n-1$$

$$|\ \underbrace{(n^2-n+1),\cdots,(n^2+n-1)}_{n群(n項)}|$$

n群の総数は

初項:\(n^2-n+1\) 、末項:\(n^2+n-1\) 、項数n

の等差数列なので

$$\frac{1}{2}n\{(n^2-n+1)+(n^2+n-1)\}$$

$$=n^3$$

補足1

等差数列の和に関しては、以下の記事を参考にしてください

補足2

等差数列の一般項の求め方に関しては、以下の記事を参考にしてください。

例題2

問題

$$\ \frac{1}{1}\ |\ \frac{1}{2},\frac{3}{2} \ |\ \frac{1}{3},\frac{3}{3},\frac{5}{3} \ |\ \frac{1}{4},\frac{3}{4},\frac{5}{4},\frac{7}{4}\ |\ \frac{1}{5},\frac{3}{5},\cdots$$

(1)\(\dfrac{5}{9}\)は何項目か求めよ

(2)200項目を求めよ

解説

$$\underbrace{\frac{1}{1}}_{1群}\ |\ \underbrace{\frac{1}{2},\frac{3}{2}}_{2群}\ |\ \underbrace{\frac{1}{3},\frac{3}{3},\frac{5}{3}}_{3群}\ |\ \underbrace{\frac{1}{4},\frac{3}{4},\frac{5}{4},\frac{7}{4}}_{4群}\ |\ \underbrace{\frac{1}{5},\frac{3}{5},\cdots}_{5群}|$$

まず3つのポイントを整理します。

1 全体の数列の規則性・・・なし

2 分け方の規則性・・・等差数列(1個、2個、3個、・・・)

3 群の内部の規則性・・・分子:等比数列、分母:群

n群の最後の項を考えます

$$|\ \underbrace{○,○,\cdots,●}_{n群}|$$

「n群の最後の項」が「全体の何項目か」を考えると

項数は 1個、2個、3個、4個、・・・と増えていくので、

$$1+2+3+4+\cdots+n=\frac{1}{2}n(n+1)$$

「n群の最後の項」は全体の \(\frac{1}{2}n(n+1)\) 項目

(1)解答

\(\dfrac{5}{9}\) は 「9群の5項目」

「n群の最後の項」は全体の \(\frac{1}{2}n(n+1)\) 項目なので

「8群の最後の項」は \(\frac{1}{2}\cdot8\cdot9=36\) 項目

よって「9群の5項目」は 36+5=41

41項目

(2)解答

「n群の最後の項」は全体の \(\frac{1}{2}n(n+1)\) 項目なので

\(n=19\) のとき、\(\frac{1}{2}\cdot19\cdot20=190\)

\(n=20\) のとき、\(\frac{1}{2}\cdot20\cdot21=210\)

よって200項目は、「20群の10項目」

n群内の分子は初項1、公差2の等差数列なので

$$2k-1$$

よってn群内の10項目の分子は \(2\times10-1=19\)

よって「20群の10項目」は\(\dfrac{19}{10}\)

まとめ:群数列

「群数列」のまとめは以下の通り

群数列・・・数列がいくつかのグループに分けられている数列

整理するポイント3つ

1 全体の数列の規則性

2 群の分け方の規則性

3 群の内部の規則性

注目するポイント1つ

n群の最後の項が 「全体の何項目なのか」 「どのような数か」

「群数列」なかなか複雑です。

しかし、ポイントを抑えて理解すれば、解いていくことができます。

頑張っていきましょう。

以上で解説終わります。少しでも参考になれば幸いです。それではまた。

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