前回に引き続き、等差数列についてです。
等差数列の和について解説します。
等差数列の基本、一般項についてはこちら
等差数列の和の公式
\(S_n=a_1+a_2+\cdots+a_n\)は
$$s_n=\frac{a_1+a_n}{2}n\quad(=\frac{初項+末項}{2}\times項数)$$
公式の気持ち
公式見ただけだと、何いってるかわからない、、、覚えられない、、、いつ使えばよいかわからない、、、
そんな方に向けて、公式の気持ち(意味)を考えてみましょう。
ガウス少年の話
さて、突然ですが、数学者ガウスの少年時代の話をしましょう。
ガウス少年は、小学校に通っていました。担任の先生は、自分の仕事を終わらせようと、生徒に難しい問題を出しました。「1から100まで全て足した合計は?」
ガウス少年は、この問題を一瞬で解いてしまいました。
ガウスの解き方解説
さてガウス少年はどのように解いたかわかりますか。前から順番に足していったのではなさそうです。ガウスの解き方を解説しましょう。
\(1+2+3+4+5+\cdots+98+99+100\) を求めよ。
これは足す順番を変えて、足して101になるセットを作っていきます。
$$\underbrace{(1+100)+(2+99)+(3+98)+\cdots+(50+51)}_{50セット}$$
$$=101\times50=5050$$
これを瞬時に思いついたガウスはやはり天才ですね。
等差数列の和はガウス少年の計算と同じ
ここで公式をもう一度見てみましょう。
$$s_n=\frac{a_1+a_n}{2}n\quad(=\frac{初項+末項}{2}\times項数)$$
初項+末項はペアを作っている、項数÷2は何セットあるかを考えている
このように考えれば、納得のいく式に見えてきませんか。
等差数列の和は台形の面積
図形的に考えて、台形をイメージすると分かりやすいです。
台形の面積=(上底+下底)×高さ÷2
これと等差数列の和の公式は同じです。
$$s_n=(a_1+a_n)\times n\div2$$
以上が等差数列の和の気持ちです。
少し馴染みのある式に見えてきましたか。
等差数列の和の問題
解き方のコツ
等差数列の公式を解く際大切なのは、初項、末項、項数を整理することです。
ここでのおすすめは、台形を書いてそこに情報を整理をして、面積を求めるというやり方です。
例題
次の等差数列の和を求めよ。
(1) 初項 5,末項 25,項数 7
(2) 初項 -1,公差 3,項数 n
台形をそれぞれイメージします
(1)初項5を上底、末項25を下底、項数7を高さに書き込んで
台形の面積を考えて、
$$(5+25)\times 7\div2=105$$
(2)初項−1を上底、項数nを高さに書き込む
末項は、n番目の項なので、一般項を求める。
$$a_n=3n-4$$
台形の一般項を考えて、
$$(-1+3n-4)\times n\div2$$
$$=\frac{n(3n-5)}{2}$$
注意1 面積はイメージなので、マイナスもそのままで考える
注意2 等差数列の一般項は一瞬で求める訓練をしましょう。参考記事はこちら
まとめ
等差数列の和で大切なのは以下の2ポイント。
- 等差数列のはの公式は、台形の面積公式と対応させるとイメージしやすい
- 問題を解く際は、台形を書いて、情報を整理しながら解く
以上で等差数列の和の解説はおしまいです。
数列は慣れるとすらすら解けるようになります。
また基本を抑えることで、応用問題にも挑戦できます。
頑張って数列を楽しんでいきましょう。それではまた。
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