今回は、「部分分数分解」のやり方について解説します。

この記事は、「わか」が執筆しています。
私「わか」(https://twitter.com/wakkachan2019)は、国立大学数学科を卒業後、数学教育に10年以上関わっています。
この記事を読むと
「部分分数分解とは」
「部分分数分解の公式」
「部分分数分解のやり方3パターン」
が理解できます。
「部分分数分解」は様々なところで活躍する重要な技術です。
ぜひ使いこなして、様々な場面で使えるようなになりましょう。
それでは、見ていきましょう。
部分分数分解とは
部分分数分解とは
部分分数分解とは
「分母が因数分解されているような分数をいくつかの分数に分解する」
こと
部分分数分解の例
例えば、以下のような式変形を「部分分数分解」と言います
1(x+1)(x+2)=1x+1−1x+2
確かに、右辺を計算すると左辺になることがわかります
(右辺)=x+2(x+1)(x+2)−x+1(x+1)(x+2)=1(x+1)(x+2)
部分分数分解:公式
部分分数分解は、見通しを持つことが大切なので、どのような形に分解できるのか頭に入れる必要があります。
公式を確認します。
1px+q(x+a)(x+b)=Ax+a+Bx+b
2px+q(x+a)2=Ax+a+B(x+a)2
3px2+qx+r(x+a)2(x+b)=Ax+a+B(x+a)2+Cx+b
部分分数分解:係数比較
1(x−2)(x+1)
を部分分数分解する
1(x−2)(x+1)=Ax−2+Bx+1
と変形できる。両辺 (x−2)(x+1) 倍して
1=A(x+1)+B(x−2)
1=(A+B)x+A−2B
係数比較して
A+B=0,A−2B=1
よって
A=13,B=−13
したがって
1(x−2)(x+1)=13(1x−2−1x+1)
1(x+1)2(x+2)
を部分分数分解する
1(x+1)2(x+2)=Ax+1+B(x+1)2+Cx+2
と変形できる。両辺 (x+1)2(x+2) 倍して
1=A(x+1)(x+2)+B(x+2)+C(x+1)2
1=(A+C)x2+(3A+B+2C)x+2A+2B+C
係数比較して
A+C=0,3A+B+2C=0,2A+2B+C=1
よって
A=−1,B=1,C=1
したがって
1(x+1)2(x+2)=−1x+1+1(x+1)2+1x+2
係数比較は、計算が大変のことが多いです。
部分分数分解:数値代入
1(x−2)(x+1)
を部分分数分解する
1(x−2)(x+1)=Ax−2+Bx+1
と変形できる。両辺 (x−2)(x+1) 倍して
1=A(x+1)+B(x−2)
x=−1 を代入して
1=−3B
B=−13
x=2 を代入して
1=3A
A=13
したがって
1(x−2)(x+1)=13(1x−2−1x+1)
1(x+1)2(x+2)
を部分分数分解する
1(x+1)2(x+2)=Ax+1+B(x+1)2+Cx+2
と変形できる。両辺 (x+1)2(x+2) 倍して
1=A(x+1)(x+2)+B(x+2)+C(x+1)2
x=−1 を代入して
B=1
x=−2 を代入して
C=1
x=0 を代入して
1=2A+2B+C
よって
A=−1,B=1,C=1
したがって
1(x+1)2(x+2)=−1x+1+1(x+1)2+1x+2
数値代入の方が、係数比較より計算が楽になります。
部分分数分解:帳尻あわせ
1(x−2)(x+1)
を部分分数分解する
1(x−2)(x+1)=○(1x−2−1x+1)
とりあえず引き算して、通分したとき分子のxの項が打ち消すようにする
1x−2−1x+1=(x+1)−(x−2)(x−2)(x+1)=3(x−2)(x+1)
分子の「3」を打ち消せば良いので、○に13を当てはめれば良い
1(x−2)(x+1)=13(1x−2−1x+1)
私は、このやり方を使いことが多いです。
慣れると計算は早いと思います。
まとめ:部分分数分解
部分分数分解のまとめは以下の通り
・部分分数分解は、基本的な公式の形を覚えることが大切
1px+q(x+a)(x+b)=Ax+a+Bx+b
2px+q(x+a)2=Ax+a+B(x+a)2
3px2+qx+r(x+a)2(x+b)=Ax+a+B(x+a)2+Cx+b
・部分分数分解の方法は3つある
1係数代入 2数値代入 3帳尻合わせ
以上「部分分数分解」のやり方解説でした。
部分分数分解を使用例は以下の記事を参考にしてください
少しでも参考になれば幸いです。

以上で終わります。ありがとうございました!
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