【複素数】z^6=1の解【1の6乗根】

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今回は、\(z^6=1\)の解について考えます。

この記事を読むと、

・\(z^6=1\)の解

・\(z^6=1\)の極形式を使った解法

・\(z^6=1\)の複素数平面上の図形的意味

・\(z^6=1\)の因数分解を使った解法

について理解することができます。

この記事は、「わか」が執筆しています。

私「わか」(https://twitter.com/wakkachan2019)は、国立大学数学科を卒業後、数学教育に10年以上関わっています。

z^6=1の実数解

「6乗して1になる数(1の6乗根)」は、実数の範囲で考えると

$$z=1,-1$$

であることは、すぐに分かります。

しかし、複素数の範囲(i を使った範囲)で考えると、解は他にも存在します。

\(z^6=1\) の実数解は、\(z=1,-1\)

極形式を利用した解法

極形式を利用した解法を見ていきます。

極形式を利用

\(z=r(cos\theta+isin\theta)\) とおく。

$$z^6=r^6(cos\theta+isin\theta)^6$$

ドモアブルの定理より

$$z^6=r^6(cos6\theta+isin6\theta)$$

ここで1を極形式で表すと

$$1=cos2k\pi+isin2k\pi(k=0,1,2,3,\cdots)$$

よって

$$r^6=1,6\theta=2\pi k(k=0,1,2,3,\cdots)$$

$$r=1,\theta=\frac{\pi}{3}k(k=0,1,2,3,\cdots)$$

よって

$$z=cos\frac{\pi}{3}k+isin\frac{\pi}{3}k (k=0,1,2,3,\cdots)$$

$$z=1,z=\frac{1+\sqrt{3}}{2},z=\frac{-1+\sqrt{3}}{2},z=-1,z=\frac{-1-\sqrt{3}}{2},z=\frac{1-\sqrt{3}}{2}$$

\(z^6=1\) の複素数の範囲で考えた解は、

$$z=1,z=\frac{1+\sqrt{3}}{2},z=\frac{-1+\sqrt{3}}{2},z=-1,z=\frac{-1-\sqrt{3}}{2},z=\frac{1-\sqrt{3}}{2}$$

極形式であらわして、ドモアブルの定理などを使って求めることができる

以上の解法を、図形的に見ていきましょう。

図形的な意味

極形式 \(r(cos\theta+i sin\theta)\) は

r は「原点からの距離(絶対値)」

θは「偏角(実軸と作る角度)」

を意味しています。

そして、この極形式で表したものの積は

原点からの距離を「r倍」する

偏角はさらに「θ回転」する

ということを表します。

そのため、今回の\(r^6(cos\theta+isin\theta)^6=1\) は

原点からの距離は、「\(r^6\)倍して1となる」ので、r=1

偏角は「6回 θ回転して(1,0)(\(2\pi\)回転)に戻ってくる」ので、

\(2\pi\)を6等分して、\(\theta=\dfrac{2\pi}{6}=\dfrac{\pi}{3}\)

ということが分かります。

つまり、

\(\dfrac{1}{2}+\dfrac{\sqrt3}{2}i\)は解の1つとなる。

同様に、2周目(\(4\pi\)回転)、3周目(\(6\pi\)回転)、・・・、6周目(\(12\pi\)回転)も考えると

原点からの距離は、r=1

偏角は、 \(\theta=\dfrac{2\pi}{3},\dfrac{3\pi}{3},\cdots,\dfrac{6\pi}{3}\)

となるので、

\(z=-\dfrac{1}{2}+\dfrac{\sqrt3}{2}i,z=-1,z=-\dfrac{1}{2}-\dfrac{\sqrt3}{2}i,z=\dfrac{1}{2}-\dfrac{\sqrt3}{2}i,z=1\)

\(z^6=1\)の解は、複素数平面に表すと「正六角形」となることが分かります。

\(z^6=1\)の解は、複素数平面に表すと「正六角形」となる

因数分解を利用した解法

因数分解利用

$$z^6=1$$

$$z^6-1=0$$

$$(z^3+1)(z^3-1)=0$$

$$(z+1)(z^2-z+1)(z-1)(z^2+z+1)=0$$

$$z=-1,z=\frac{1\pm\sqrt{3}i}{2},z=1,z=\frac{-1\pm\sqrt{3}i}{2}$$

\(z^6=1\) の複素数の範囲で考えた解は、

$$z=-1,z=\frac{1\pm\sqrt{3}i}{2},z=1,z=\frac{-1\pm\sqrt{3}i}{2}$$

因数分解し、解の公式を利用し求めることができる。

まとめ:z^6=1の解

「z^6=1の解」のまとめは以下の通り。

・\(z^6=1\)の実数解は、z=1,-1

・\(z^6=1\)の複素数の範囲で考えた解は

$$z=-1,z=\frac{1\pm\sqrt{3}i}{2},z=1,z=\frac{-1\pm\sqrt{3}i}{2}$$

・\(z^6=1\)を求めるには、「極形式で考える」「因数分解する」などの方法がある

・\(z^6=1\)の解を、複素数平面上に表すと、「正六角形」となる

以上で、「\(z^6=1\)」の解説を終わります。

少しでも勉強の参考になれば幸いです。

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