今回は、「3点を通る円の方程式」についてです。
問題
3点 A(-5,4) B(-1,6) C(2,-3) を通る円の方程式を求めよ。

解法1:一般形利用
円の一般形は
x2+y2+ax+by+c=0
円の方程式を
x2+y2+ax+by+c=0
とおく
3点A(-5,4) B(-1,6) C(2,-3)を通るので、それぞれ代入して
−5a+4b+c+41=0 ・・・①
−a+6b+c+37=0 ・・・②
2a−3b+c+13=0 ・・・③
①、②、③より
a=2,b=−2,c=−23
したがって、求める円の方程式は
x2+y2+2x−2y−23=0
よく教科書や参考書に載っている解法です。
変数3個で、代入した式を3個作ることができるので、解くことができます。
連立方程式を解くのが少し大変です。
一般形の式に3点を代入し、3個の式を作り、連立させて求める
解法2:垂直2等分線が外心であることを利用
三角形の外心(外接円の中心)は、各辺の垂直二等分線の交点

点A(-5,4) B(-1,6)
線分ABの中点は (−3,5)
線分ABの傾きは 12
よって、線分ABの垂直2等分線の方程式は
y=−2x−1・・・①
点A(-5,4) C(2,-3)
線分ACの中点は (−32,12)
線分ABの傾きは −1
よって、線分ABの垂直2等分線の方程式は
y=x+2・・・②
①、②を連立させて、交点Oは(-1,1)
交点Oは垂直2等分線の交点なので、三角形ABCの外心
よって線分AOが半径となる
AO=√42+(−3)2=5
したがって、求める円の中心は(-1,1)半径は5 なので
(x+1)2+(y−1)2=25
外接円の中心(外心)が各辺の垂直2等分線の交点であることを利用した解法です。
円は、「中心」と「半径」が大切なので、円の中心の座標を2式を連立するだけで求めることができるのが良いところです。
三角形ABCを考え、2辺の垂直2等分線の方程式を求め、その交点を求めて外接円の中心を求める
解法3:束の考え方利用【裏技】
① 2点を直径とする円を求める → その2点を通る直線の方程式を求める
② この円と直線を通る円を k を使って表す
③ 残りの1点を代入して k を求める

A(-5,4) B(-1,6)
線分ABを直径とする円は
(x+5)(x+1)+(y−4)(y−6)=0 ・・・①
(※補足1参照)
直線ABの方程式は
y=12x+132⇔x−2y+13=0 ・・・②
①、②の交点を通る円を
(x+5)(x+1)+(y−4)(y−6)+k(x−2y+13)=0
と表せる
(※補足2参照)
これがA(2,-3)を通るので
21+63+21k=0
k=−4
したがって、求める円の方程式は
(x+5)(x+1)+(y−4)(y−6)−4(x−2y+13)=0
x2+2x+y2−2y−23=0
2点A(a,b)B(c,d)を直径とする円の方程式は
(x−a)(x−c)+(y−b)(y−d)=0
2点を直径とする円上の点をP(X,Y)とすると
→APと→BPの内積は0となる(直径の円周角は90°より)ので
→AP⋅→BP=(x−a)(x−c)+(y−b)(y−d)=0
束の考え方
f(x,y)+kg(x,y)=0
が表す図形は
f(x,y)=0 の表す図形と g(x,y)=0 の表す図形の交点を通る
今回は、円と直線の交点を通る円を表している
条件を使って、うまく求める円の方程式を表すことで、計算を楽にすることができます。
学校や参考書では習わない裏技的なやり方です。
2つの円の交点を通る円を求める典型問題と同じ考え方を使っています。
「2点を直径とする円」と「2点を通る直線」を使って、
この交点を通る円をkを使って表し、もう1つの点を代入してkを求める
まとめ:3点を通る円の方程式
3点を通る円の方程式のまとめは以下の通り。
・一般形の式 x2+y2+ax+by+c=0 に3点を代入し、3個の式を作り、連立させて求める
・三角形ABCを考え、2辺の垂直2等分線の方程式を求め、その交点を求めて外接円の中心を求める
・「2点を直径とする円」と「2点を通る直線」を使って、この交点を通る円をkを使って表し、もう1つの点を代入してkを求める
「3点を通る円の方程式」についての解説は以上で終わります。
少しでも勉強の参考になれば幸いです。それではまた。
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