sinxを微分すると、cosxでしょ!
でも、それを証明するってどうやるの、、、
という方に、定義から微分をする方法について解説します。
三角関数の微分公式
微分においては、三角関数の微分は覚えなければならない必須項目です。
そのため、公式を覚えている人は多いと思います。
しかし、なんでこの公式になるのか?ということを聞かれた時に答えられますか。
少し自信ないですよね、、、。
「公式だけ使えれば、問題ない」「ごちゃごちゃ考えるとわけわからなるから結果だけで、別にいいかな」なんて思っている人も多いのではないでしょうか。私もそう思っていました、、、。
しかし、このような基本的な公式をきちんと導出することによって数学は、理解を深めることができます。
そのため今回は、sinxの微分を導いてみたいと思います。
sinxの定義による微分
微分の定義確認
まず、微分の定義を確認します。
$$f'(x)=\lim_{h\to0}\frac{f(x+h)-f(x)}{h}$$
微分の定義に関して解説は以下の記事を参考にしてください。
sinxの微分がcosxになることの証明
それでは、sinの微分がcosになる証明をしていきます。
微分の定義より
$$(sinx)’=\lim_{h\to0}\frac{sin(x+h)-sinx}{h}$$
加法定理から ※補足1
$$=\lim_{h\to0}\frac{sinxcosh+cosxsinh-sinx}{h}$$
$$=\lim_{h\to0}\{\frac{sinx(cosh-1)}{h}+\frac{cosxsinh}{h}\}$$
$$=\lim_{h\to0}\{sinx\frac{cosh-1}{h}+cosx\frac{sinh}{h}\}$$
ここで、
$$\lim_{h\to0}\frac{cosh-1}{h}=0$$ ※補足2
$$\lim_{h\to0}\frac{sinh}{h}=1$$より ※補足3
$$=\lim_{h\to0}\{sinx\underbrace{\frac{cosh-1}{h}}_{→0}+cosx\underbrace{\frac{sinh}{h}}_{→1}\}=cosx$$
補足1(加法定理)
$$sin(\alpha\pm\beta)=sin\alpha cos\beta\pm\cos\alpha sin\beta$$
$$cos(\alpha\pm\beta)=cos\alpha cos\beta\mp\sin\alpha sin\beta$$
三角関数の加法定理の証明に関しては、以下の記事を参考にしてください。
補足2
$$\lim_{h\to0}\frac{cosh-1}{h}=0$$
ここで式変形を確認しましょう。
$$\lim_{h\to0}\frac{cosh-1}{h}$$
分母分子\(cosh+1\)倍する
$$=\lim_{h\to0}\frac{cos^2h-1}{h(cosh+1)}$$
$$=\lim_{h\to0}\frac{-sin^2h}{h(cosh+1)}$$
$$=\lim_{h\to0}-\underbrace{\frac{sinh}{h}}_{→1}\underbrace{\frac{sinh}{cosh+1}}_{→0}$$
$$=0$$
補足3(三角関数の極限最重要公式)
$$\lim_{x\to0}\frac{sinx}{x}=0$$
これは、三角関数の極限の最重要公式です。証明や例題に関しては、以下の記事を参考にしてください。
まとめ
今回のまとめは、以下の通り
- sinxを微分するとcosx
- sinxを微分の定義に従って微分して、加法定理、三角関数の極限の公式を使って、cosxを求めることができる
sinxも定義にしたがって微分していけば、cosxになることが分かりますね。
他にも、基本的な公式に立ち返って、導出過程を考える、証明をしてみるということによって、数学の力、面白さがわかると思います。
少し大変ですが、楽しんでみましょう。
以上、少しでも参考になれば幸いです。
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