今回は、信州大学の過去問を紹介します。
\(cos^218°\)の値を求める問題です。
以前sin18°を求めましたね。
sin18°に関しての解説は以下の記事を参考にしてください。
それではみていきたいと思います。
問題
問 \(cos^218°\)の値を求めよ。
(2019・信州大学一部改題)
解説
準備として、必要な公式を確認しておきます。
2倍角の公式
$$sin2\theta=2sin\theta cos\theta$$
\begin{eqnarray} cos2\theta= \left\{ \begin{array}{l} cos^2\theta-sin^2\theta \\ 1-2sin^2\theta \\ 2cos^2\theta-1\end{array} \right. \end{eqnarray}
3倍角の公式
$$sin3\theta=3sin\theta-4sin^3\theta$$
$$cos3\theta=4cos^3\theta-3cos\theta$$
2倍角の公式を変形して以下の式を使用します。
$$cos^2\theta=\frac{1+cos2\theta}{2}$$
それでは、解答見ていきましょう。
$$cos^218°=\frac{1+cos36°}{2}…①$$
ここで、\(\theta=36°\)とすると
$$3\theta+2\theta=180°$$
$$3\theta=180°-2\theta$$
よって
$$sin3\theta=sin(180°-2\theta)$$
$$sin3\theta=sin2\theta$$
$$3sin\theta-4sin^3\theta=2sin\theta cos\theta$$
\(sin\theta≠0\)より
$$3-4sin^2\theta=2cos\theta$$
$$3-4(1-cos^2\theta)=2cos\theta$$
$$4cos^2\theta-2cos\theta-1=0$$
$$cos\theta=\frac{1\pm\sqrt5}{4}$$
\(cos\theta>0\)より
$$cos\theta=\frac{1+\sqrt5}{4}$$
①の式に代入して
$$cos^218°=\frac{\frac{5+\sqrt5}{4}}{2}$$
$$cos^218°=\frac{5+\sqrt5}{8}$$
38°を5倍すると180°になることを利用した解法でした。
この他にも、別解が考えられます。
別解
別解も紹介します。
sin18°を以前求めた方法で求めることができます。
$$sin18°=\frac{-1+\sqrt5}{4}$$
なので、
$$cos^218°=1-sin^218°$$
$$=1-(\frac{-1+\sqrt5}{4})^2$$
$$=1-\frac{6-2\sqrt5}{16}$$
$$=1-\frac{3-\sqrt5}{8}$$
$$=\frac{5+\sqrt5}{8}$$
まとめ
・36°を5倍すると有名角の180°になることを利用する
・2倍角や3倍角の公式を利用しする
以上、三角関数の値を求める問題でした。
様々な別解を考えることで、解法の引き出しが増えていきます。
別解を考えることを楽しめるといいですね!
少しでもみなさんの参考になれば幸いです。
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