
整数問題って、方針を立てるのが難しいな、、、
どこから手をつけていいのか、、、
と言う人のための記事です。
今回は、京都大学の整数問題を使って「整数問題の3つのアプローチ」を確認していきたいと思います。
この記事を読むことで
「整数問題の3つのアプローチ」「京都大学の過去問を通じて実際にどのように解いていくか」
を理解することができます
それではみていきましょう。
整数問題の3つのアプローチ
整数問題は、「しらみつぶし」に求めることもできるかもしれませんが、とても大変です。少しでも候補をしぼっていくことが大切です。
候補を絞り込むための「整数問題3つのアプローチ」を紹介します。
① 因数分解で候補をしぼる
② 不等式で候補をしぼる
③ 倍数やあまりで分類して、候補をしぼる
これを利用して数ある候補から条件を満たす整数解を求めていきます。
問題
京都大学の過去問は以下の通りです。
a3−b3=65
を満たす整数の組(a,b)を全て求めよ。(2005・京都大学)
この問題は、整数問題の3つのアプローチを使用して解いていくことができる問題です。
練習としては最適な問題ですので、ぜひ活用してみましょう。
解説
「3つのアプローチ」をそれぞれ使って解いていきます。
まず左辺を因数分解する
a3−b3=65
(a−b)(a2+ab+b2)=65
したがって
a−ba2+ab+b2165513135651−1−65−5−13−13−5−65−1
の8パターンが条件を満たす。
因数分解で候補をしぼる
次に
a2+ab+b2=(a+12b)2+34b2>0
であるので、上の8パターンのうちマイナスの場合は不適となる
a−ba2+ab+b2165513135651
不等式で候補をしぼる
次に
(a2+ab+b2)−(a−b)2=3ab
であることから(a2+ab+b2)−(a−b)2は3の倍数となる
a−ba2+ab+b2(a−b)2(a2+ab+b2)−(a−b)2165164(3の倍数でない)51325−12(3の倍数)135169−164(3の倍数でない)6514225−4224(3の倍数)
この中で3の倍数となっているのは
a−ba2+ab+b2513651
の2パターン
倍数、あまりで分類して候補をしぼる
{a−b=5a2+ab+b2=13
を解くと
(a,b)=(4,−1),(1,−4)
{a−b=65a2+ab+b2=1
を解くと、
b2+65b+1408=0
これは実数解を持たないのでこの場合は不適
したがって整数解は
(a,b)=(4,−1),(1,−4)
因数分解をすることで、いきなり8パターンまで絞り込むことができました。
そこから、不等式を利用して4パターンに、
さらに、倍数で分類して2パターンに、
最後は具体的に計算して求めます。
まとめ
最後に「整数問題の3つのアプローチ」を再度確認します。
① 因数分解で候補をしぼる
② 不等式で候補をしぼる
③ 倍数やあまりで分類して、候補をしぼる
このアプローチによって、整数解の候補を絞り込むことでいくことが大切です。
それでは解説は以上です。少しでも参考になれば幸いです。それではまた。
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