今回は「整数問題(2022・一橋大学)」について解説します。
この記事を読むと
- 整数問題(2022・一橋大学)の解答
- 整数問題のアプローチ
について理解することができます。
この記事は「わか」が執筆しています。
私「わか」(https://twitter.com/wakkachan2019)は、国立大学数学科を卒業後、数学教育に10年以上関わっています。
問題:整数問題(2022・一橋大学)
$$2^a3^b+2^c3^d=2022$$
を満たす0以上の整数 \((a,b,c,d)\) の組を求めよ。
(2022・一橋大)
解説:整数問題(2022・一橋大学)
$$2^a3^b+2^c3^d=2022$$
まず 「困難は分割せよ(素因数分解)」
\(2022=2\times3\times337\)
対称性から \(a≥c\) を考える
① \(a=0\) とする
\(a≥c\) より \(c=0\)
$$3^b+3^d=2\cdot3\cdot337$$
・\(d=0\) のとき \(3^b=2021=43\cdot47\) 不適
・\(d=1\) のとき \(3^b=2019=3\cdot673\) 不適
・\(b≥d≥2\) のとき \(3^2(3^{b-2}+3^{d-2})=2\cdot3\cdot337\)
素因数「3」の個数が左辺と右辺で異なるので 不適
対称性からbに対しても同様である
したがってこのとき整数解は存在しない
② \(a=1\)とする
\(a≥c\) より \(c=0,1\)
・\(c=0\) のとき
$$2\cdot3^b+3^d=2\cdot3\cdot337$$
(左辺)=(奇数) (右辺)=(偶数) となるので不適
・\(c=1\) のとき
$$3^b+3^d=3\cdot337$$
○\(d=0\) のとき \(3^b=1010=2\cdot5\cdot101\) 不適
○\(d=1\)のとき \(3^b=1008=2^4\cdot3^2\cdot7\) 不適
○\(b≥d≥2\)のとき \(3^2(3^{b-2}+3^{d-2})=3\cdot337\)
素因数「3」の個数が左辺と右辺で異なるので不適
対称性からbに対しても同様である
したがって整数解は存在しない
③ \(a≥2\) とする
$$2^a3^b+2^c3^d=2\cdot3\cdot337$$
右辺の素因数「2」の個数は1個なので、左辺も1個
よって \(c=1\)
$$2^{a-1}3^b+3^d=3\cdot337$$
・\(b=0\) のとき \(2^{a-1}+3^d=3\cdot337\)
○\(d=0\) のとき \(2^{a-1}=1010=2\cdot5\cdot101\) 不適
○\(d≥1\) のとき (左辺)=(3の倍数ではない) (右辺)=(3の倍数)
よって矛盾で、不適
・\(b=1\) のとき
$$2^{a-1}\cdot3+3^d=3\times337$$
○\(d=0\)のとき (左辺)=(3の倍数ではない) (右辺)=(3の倍数) より 不適
○\(d≥1\)のとき
$$2^{a-1}+3^{d-1}=337$$
\begin{array}{|c|c|c|} \hline d & 2^{a-1} & a \\ \hline 1 & 336 & ×\\ \hline 2 & 334 & ×\\ \hline 3 & 328 & ×\\ \hline 4 & 310 & ×\\ \hline 5 & 256 & 9\\ \hline 6 & 94 & ×\\ \hline 7 & × & ×\\ \hline \end{array}
よって\((a,b,c,d,)=(9,1,1,5)\)
・\(b≥2\) のとき
$$2^{a-1}3^b+3^d=3\cdot337$$
右辺の素因数「3」の個数は1個なので左辺も1個
よって \(d=1\)
\(2^{a-1}3^{b-1}=336=3\cdot2^4\cdot7\)
不適
以上より\((a,b,c,d)=(9,1,1,5)\)
①、②、③より
\((a,b,c,d)=(9,1,1,5)\)
対称性から \(a≤c\) の時も同様に考えて
\((a,b,c,d)=(1,5,9,1)\)
したがって
$$(a,b,c,d)=(9,1,1,5),(1,5,9,1)$$
まとめ:整数問題(2022・一橋大学)
「整数問題(2022・一橋大学)」のまとめは以下の通り
- 整数問題において、大きな整数は因数分解する
- 具体的に数字を代入して実験しながら考える
- 倍数やあまりの種類で分類する
今回も、整数問題の基本事項をきちんと使っていけば解くことができます。
地道な作業が必要なところもあります。
漏れなく分類しながら考えましょう。
以上で「整数問題(2022・一橋大学)」の解説を終わります。
少しでもみなさんの参考になれば幸いです。それでは。
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