今回は、2通りの解法を紹介したいと思います。
問題
問題 \(x^{2022}\) を \(x^4-1\) で割ったあまりを求めよ。
解法1(剰余の定理)
\(x^{2022}\) を \(x^4-1\) で割った商を\(Q(x)\)として、
あまりが3次以下であることに注意すると、
\(x^{2022}=(x^4-1)Q(x)+ax^3+bx^2+cx+d\) ・・・①と表せる。
ここで\(x^4-1=0\)を解くと、
$$(x+1)(x-1)(x+i)(x-1)=0$$
と左辺を因数分解できるので、解は\(x=1,-1,i,-i\) である。
\(x=1,-1,i\) をそれぞれ①に代入して
\(x=1\)のとき \(1=a+b+c+d\)
\(x=1\)のとき \(-1=-a+b-c+d\)
\(x=i\)のとき \(-1=-ai-b+ci+d=-b+d+(-a+c)\)
よって、\(-a+c=0\) 、 \(-b+d=0\)
これらの式を連立すると、
$$a=0,b=1,c=0,d=0$$
よって、あまりは \(x^2\)
解法2(2項定理利用)
$$x^{2022}$$
$$=x^2(x^{4})^{505}$$
$$=x^2(x^{4}-1+1)^{505}$$
ここで2項定理を利用して
$$=x^2\{\underbrace{(x^{4}-1)^{505}+{}_{505}\mathrm{C}_{1}(x^{4}-1)^{504}+\cdots+{}_{505}\mathrm{C}_{504}(x^{4}-1)}_{(A)}+1\}$$
ここで(A)の505個の項は全て\((x^4-1)\) で割り切れる
よって、あまりは \(x^2\)
以上の2通りです。
2項定理を利用した解法は、とても処理が早いのでぜひ身につけたいですね。
まとめ
今回のポイントは以下の2点です
- n次式で割ったあまりの次数は(n−1)次以下になる
- 多項式の割り算は2項定理を利用すると、簡単になることがある
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