【整式の除法】組立除法とは

方程式と関数

今回は、整式の除法(割り算)において必ず知っておきたい計算方法「組立除法」の解説です。

組立除法について解説

組立除法とは

整式の割り算をする際、1次式 x-a で割るときに使用することができる計算方法です。

例えば、\(2x^3+5x^2-4x-1\)を\(x+3\)で割ったときの商とあまりを効率的に求めることができます。

それでは、実際に組立除法のやり方をみていきましょう。

組立除法のやり方

\(2x^3+5x^2-4x-1\)を\(x+3\)で割るときを考えます。

① 割られる整式の係数を順に書く

② 割る式の\(x-a\)のaに当たる-3を左に書く(符号を逆にすることを忘れずに)

\begin{array}{c|cc} & \color{blue}{2} & \color{blue}{5} & \color{blue}{-4} & \color{blue}{-1} \\ \color{blue}{-3} & & & & \\ \hline & & & & \end{array}

③ 2を下におろす

④ 2×(−3)をして−6を書く

\begin{array}{c|cc} & 2 & 5 & -4 & -1 \\ -3 &↓ &\color{blue}{-6} & & \\ \hline &\color{blue}{2} & & & \end{array}

⑤ 5+(−6)をして−1を書く

⑥ (−1)×(−3)をして3を書く

\begin{array}{c|cc} & 2 & 5 & -4 & -1 \\ -3 & &-6↓ &\color{blue}{3} & \\ \hline &2 &\color{blue}{-1}& & \end{array}

⑦ −4+3をして−1を書く

⑧ (−1)×(−3)をして3を書く

\begin{array}{c|cc} & 2 & 5 & -4 & -1 \\ -3 & &-6 &3↓ & \color{blue}{3}\\ \hline &2 & -1& \color{blue}{-1}& \end{array}

⑨ −1+3をして2を書く

\begin{array}{c|cc} & 2 & 5 & -4 & -1 \\ -3 & &-6 &3 & 3↓\\ \hline &2 & -1& -1&\color{blue}{2} \end{array}

以上で計算は終わりです。最後に商と余りを読み取るだけです。

\begin{array}{c|cc} & 2 & 5 & -4 & -1 \\ -3 & &-6 &3 & 3\\ \hline &\color{red}{商2} & \color{red}{-1}& \color{red}{-1}& \color{blue}{あまり2} \end{array}

1番下の行を読み取ります。

1番右があまりになり、左から商の係数となっています。

したがって、商は\(2x^2-x-1\) あまり\(2\)

例題

問 \(x^3-4x^2+5x+3\)を\(x-2\)で割ったときの商とあまりを求めよ。

組立除法を使うと右図のようになるので

商は\(x^2-2x+1\) あまり\(5\)

\begin{array}{c|cc} & 1 & -4 & 5 & 3\\ 2 & &2 &-4 & 2\\ \hline &1 & -2& 1&5 \end{array}

組立除法は必要なのか

「組立除法」は必須項目であると思います。整式の割り算は文字・符号の管理が複雑で、ミスの起こりやすい計算です。筆算では不必要な文字の記述や計算が増えてしまいます。「組立除法」は係数のみを抜き出した、必要最低限の計算で行うことができるので、効率よく計算することができます。整式の除法を素早くミスなく行うために、「組立除法」は必要と言えます。

まとめ

  1. 組立除法は1次式 x-a で割るときに使える
  2. 商と余りを求めることができる

組立除法をマスターすると、整式の割り算を効率よく計算することができます。

因数分解、方程式など様々な場面で活躍しますので、ぜひ身につけて下さい。

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