今回は、2022共通テスト数学の1次不定方程式について解説したいと思います。
計算量が膨大であるということで話題になりましたね、、、。
共通テストの誘導に乗らず、以前紹介した合同式を利用した解法を紹介します。
2020 共通テスト 数学ⅠA 問4(整数)
問題は大きく分けて、3つのパートに分かれていました。順に見ていきましょう。
問題1
$$5^4x-2^4y=1 ・・・①$$
$$625x-16y=1$$
625を16で割ったあまりが、1なので
$$x\equiv1\pmod{16}$$
よって
$$x=16k+1$$
これを①に代入して
$$625(16k+1)-16y=1$$
$$625\cdot 16k+625-16y=1$$
$$16y=625\cdot16k+624$$
$$y=625k+39$$
よって
$$x=16k+1 , y=625k+39$$
xが2桁で最小となるのは、k=1のとき
$$x=17 , y=664$$
問題2
$$5^5x-2^5y=1 ・・・①$$
$$5\cdot625x-32y=1$$
625を32で割ったあまりが、17なので
$$5\cdot17x\equiv1\pmod{32}$$
$$85x\equiv1\pmod{32}$$
85を32で割ったあまりが、21なので
$$21x\equiv1\pmod{32} ・・・②$$
また、21から32引いて-11となるので
$$-11x\equiv1\pmod{32} ・・・③$$
③×(-2)-②より
$$x\equiv-3\pmod{32}$$
よって
$$x=32k-3$$
これを①に代入して
$$5^5(32k-3)-32y=1$$
$$3125\cdot 32k-9375-32y=1$$
$$32y=3125\cdot32k-9376$$
$$y=3125k-293$$
よって
$$x=32k-3 , y=3125k-293$$
xが3桁で最小となるのはk=4のとき
$$x=125 , y=12207$$
問題3
$$11^5x-2^5y=1 ・・・①$$
$$11\cdot121\cdot121x-32y=1$$
121を32で割ったあまりが、–7なので
$$11\cdot(-7)\cdot(-7)x\equiv1\pmod{32}$$
$$11\cdot49x\equiv1\pmod{32}$$
49を32で割ったあまりが、17なので
$$17\cdot11\equiv1\pmod{32}$$
$$187\equiv1\pmod{32}$$
187を32で割ったあまりが、-5なので
$$-5x\equiv1\pmod{32}$$
右辺に、32を2回足して
$$-5x\equiv65\pmod{32}$$
5と32は互いに素なので、両辺-5で割って
$$x\equiv-13\pmod{32}$$
よって
$$x=32k-13$$
これを①に代入して
$$11^5\cdot(32k-13)-32y=1$$
$$161051\cdot32k-2093663-32y=1$$
$$32y=161051\cdot32k-2093664$$
$$y=161051k-65427$$
よって
$$x=32k-13 , y=161051k-65427$$
xが正で最小となるのは、k=1のとき
$$x=19 , y=95624$$
まとめ
コツを掴めば、合同式を利用することで、素早くxの整数解を求めることができます。
しかし、今回の共通テストは、そのときのyの値を求める計算が大変でした。
少しでもみなさんの参考になれば、幸いです。それではまた。
この記事は、「わか」が執筆しています。
私「わか」(https://twitter.com/wakkachan2019)は、国立大学数学科を卒業後、数学教育に10年以上関わっています。
コメント
合同式勉強になりました。
リンクしました。ありがとうございました。