今回は、1次不定方程式の合同式を利用した解き方を解説します。

この記事は、「わか」が執筆しています。
私「わか」(https://twitter.com/wakkachan2019)は、国立大学数学科を卒業後、数学教育に10年以上関わっています。
この記事を読むと
・1次不定方程式の合同式(mod)を使った解き方
・1次不定方程式を、素早く解く方法
がわかります。
1次方程式についての基本は、以下の記事で解説しています。
合同式に関しての解説は、以下の記事を参考にしてください。
1次方程式を合同式(mod)を使って解く〜3つの例題〜
合同式の式変形の際、以下のコツを使うと素早く解けます。
1.今までの式を、足したり引いたりして、xの係数を「1」にする
2.両辺わって、xの係数を「1」にする(※互いに素であることを確認する)
例題1
$$5x+3y=1 ・・・①$$
3yは3で割り切れるので
$$5x\equiv1\pmod3 ・・・②$$
5は3で割ると、2余るので
$$2x\equiv1\pmod3 ・・・③$$
②ー③×2をして
$$x\equiv-1\pmod3$$
xは3で割ったとき、 −1余るので
$$x=3k-1$$
これを①に代入して
$$5(3k-1)+3y=1$$
$$y=-5k+2$$
よって
$$x=3k-1 , y=-5k+2$$
例題2
$$19x+21y=34 ・・・①$$
19xは19で割り切れるので
$$21y\equiv34\pmod{19}$$
21は19で割ると2余る、34は19で割ると-4余るので
$$2y\equiv-4\pmod{19}$$
「2」と「19」は互いに素なので、両辺2で割って
$$y\equiv-2\pmod{19}$$
yは19で割ると−2余るので
$$y=19k-2$$
これを①に代入して
$$19x+21(19k-2)=34$$
$$19x+21\cdot19k-42=34$$
$$19x=21\cdot19k+76$$
$$x=21k+4$$
よって
$$x=21k+4、y=19k-2$$
例題3
$$71x+32y=3 ・・・①$$
32yは32で割り切れるので
$$71x\equiv3\pmod{32}$$
71は32で割ると7余るので
$$7x\equiv3\pmod{32}$$
\(3\equiv35\pmod{32}\)より
$$7x\equiv35\pmod{32}$$
「7」と「32」は互いに素より、両辺7で割って
$$x\equiv5\pmod{32}$$
$$x=32k+5$$
これを①に代入して
$$71(32k+5)+32y=3$$
$$71\cdot32k+355+32y=3$$
$$32y=-71\cdot32k-352$$
$$y=-71k-11$$
よって
$$x=32k+5、y=-71k-11$$
以上で、1次方程式を「合同式(mod)」を使って解く方法の解説終わります。
2022共通テストの不定方程式解説はコチラ
一次不定方程式のポイント解説はコチラ

少しでも参考になれば幸いです。ありがとうございました。
コメント