
直角三角形って、どんな性質があるんだろう。
「少なくとも1辺が偶数になる」ってどういうこと?
という人のための記事です。
今回は「直角三角形は少なくとも1辺は偶数になる」ことを証明します。
この記事を読むことで
「直角三角形の性質」「背理法の証明方法」
について理解することができます。
それでは見ていきましょう。
直角三角形
直角三角形とは
1つの角が直角(90°)である三角形のこと
です。
直角三角形の性質
直角三角形は三平方の定理(ピタゴラスの定理)が成り立っています。
3辺の長さがa,b,c(cが斜辺)である直角三角形において
a2+b2=c2

三平方の定理の証明に関しては以下の記事を参考にしてください
ピタゴラス数
「三平方の定理」の定理
a2+b2=c2
を満たす自然数の組をピタゴラス数と言います。
例えば
(3,4,5)32+42=52
(5,12,13)52+122=132
などです。
ピタゴラスに関しては以下の記事を参考にしてください
直角三角形の少なくとも1辺は偶数
ピタゴラス数を見ていきます。
(3,4,5)、(6,8,10)、(5,12,13)、(8,15,17)、(7,24,25)、…
これを見ると「3辺とも奇数となる」ことはなく、「少なくとも1辺は偶数となる」ということが予想できます。
今回はこれを証明します。
背理法を使った証明方法なので、背理法の確認からです。

背理法はよく使う証明方法です。大切な考え方です。
背理法
背理法とは
命題Aを証明する際、命題Aが成り立たないと仮定して矛盾が導くことで、命題Aが成り立つと証明する方法
のことを言います。
背理法の証明は以下のような流れで行います。
- 「命題A」を証明したい
- 「命題Aが成り立たない」と仮定する
- 仮定や条件を計算(同値変形)していき、矛盾を導く
- 「矛盾が生じるのは仮定が間違っているから」といえる
- 「命題A」が証明される
証明
それでは、証明を見てみましょう。
「直角三角形の3辺が自然数のとき、少なくとも1辺は偶数である」を示す
直角三角形の全ての辺が奇数であると仮定する
a,b,c(a≤b≤c)を自然数として、3辺をそれぞれを
2a−1,2b−1,2c−1
とする。
三平方の定理より
(2a−1)2+(2b−1)2=(2c−1)2
が成り立っている。ここで
(左辺)
=(4a2−4a+1)+(4b2−4b+1)
=2(2a2−2a+2b2−2b+1)
よって左辺は偶数となる
また
(右辺)
=4c2−4c+1
=2(2c2−2c)+1
よって右辺は奇数となる
ここで左辺と右辺で偶奇が異なるので矛盾が生じる
したがって
「直角三角形の全ての辺が奇数である」ことはないので
直角三角形の少なくとも1辺は偶数である
背理法を使って証明できました。
3辺が自然数のときを考えていることに注意してください!
背理法を使った証明は他にも解説しているので以下の記事を参考にしてください。
まとめ
今回のまとめは以下の通りです
・直角三角形の3辺a,b,c(斜辺)は三平方の定理a2+b2=c2が成り立っている
・直角三角形の3辺が自然数のとき、少なくとも1辺は偶数である
・背理法とは「命題Aを証明する際、命題Aが成り立たないと仮定して矛盾が導くことで、命題Aが成り立つと証明する方法」
解説は以上です。
少しでも参考になれば幸いです。
それではまた!
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