今回は、組分け問題の応用例です。この問題は、以前紹介した組分け問題と同じ考え方ができます。とても上手いやり方ですので、みていきましょう。組分け問題の記事を先に見ると一層理解が深まります。
問題1
問 \(x+y+z=10\)を満たす0以上の整数x、y、zの組の総数を求めよ
問題の意味
$$x+y+z=10$$
文字が3つある方程式ですので、式が3つないとx、y、zの値を一つに決めることができません。
x、y、zが0以上であれば、(x、y、z)=(10、0、0)でも(9、1、0)でも(5、3、2)でもよいわけです。
このように複数でてくる(x、y、z)の組を全部数え上げると何通りあるかという意味の問題です。
解説1
それでは、早速数え上げていきたいと思います。当然全て書き上げれば答えに辿り着けると思います。しかし、今まで習った組分けの問題と対応させることができます。
$$x+y+z=10$$
合わせて10個の整数を箱x、箱y、箱zに分けていくと考えます。
これは区別のつかないものを、区別のつく箱に分けていく考え方と一致します。
$$ \overbrace{ 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 }^{xの箱} |\overbrace{ 〇 〇}^{yの箱} | \overbrace{ 〇}^{zの箱}$$
したがって、10個の○と2本の仕切り棒を考えてこの並び替えを考える。
\({}_{12}\mathrm{C}_{2}=\frac{12\times11}{2\times1}=66\)通り
問題2
問 \(x+y+z=10\)を満たす1以上の整数x、y、zの組の総数を求めよ
解説2
さあ、引き続き整数x、y、zが1以上だったらどうか考えましょう。
問題1と同様に考えます。しかしこのままでは、x、y、zが空になる(0になる)ときも含んでいます。
そこで合わせて10個の整数のうちを先にx、y、zに1つずつ配っておくと考える。
よって7個の玉と仕切り棒2本の並び替えの総数と一致する、
$$ \overbrace{ 〇 〇 〇 〇 }^{xの箱} |\overbrace{〇 〇}^{yの箱} | \overbrace{ 〇}^{zの箱}$$
\({}_{9}\mathrm{C}_{2}=\frac{9\times8}{2\times1}=36\)通り
問題3
問 \(x+y+z=10\)を満たす−1以上の整数x、y、zの組の総数を求めよ
解説3
最後に整数x、y、zが−1以上だったらどうでしょうか。
基本的には上記の問題と同じ考え方です。
x、y、zの各箱は−1以上という条件をどう考えるかがポイントです。
これは、箱x、箱y、箱zからそれぞれ1つずつ玉を取り上げ、借金1がスタートの状態でそこに玉を振り分けていくと考えます。
元々の合計10個、それぞれから取り上げた3個の玉合わせて13個と仕切り棒2本の並び替えと対応させます。
$$ \overbrace{〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇}^{xの箱} |\overbrace{〇 〇}^{yの箱} | \overbrace{〇 〇 〇 〇}^{zの箱}$$
\({}_{15}\mathrm{C}_{2}=\frac{15\times14}{2\times1}=105\)通り
まとめ
今回は組分け問題の応用問題です。
ポイントは以下の2点
- 組分け問題の「○」と「仕切り棒」の並び替え問題に読みかえる
- 各箱が空になってもよい場合、少なくとも1個の場合など問題によって事前に玉を配る(取り上げる)
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