2次方程式は、解の公式があって解けるけど、
3次方程式となるとなんだか不安だな、、、
そんな人に向けて、3次方程式の解き方を徹底解説します。
2次方程式の解き方は以下の記事を参考にして下さい。
3次方程式の解き方
3次方程式を解く3ステップ
- 有理数解を1つ見つける
- 因数定理を使って因数分解する
- 2次方程式を解く
それでは、例題を通して、3ステップを確認していきましょう。
例題
\(x^3+2x^2-4x+1=0\)を解け。
ステップ1
まず、有理数解を一つ見つけます。
今回は、x=1を代入すると\(1+2-4+1=0\)
となるので、1つの解は、x=1です。
xに「1」を代入したら、ちょうど「0」になる!
ステップ2
x=1を代入すると「0」になることから、(xー1)を因数にもつ
(\(x^3+2x^2-4x+1)\div(x-1)\)を計算して、因数分解します。
組立除法を使うと、
$$x^3+2x^2-4x+1$$
$$=(x-1)(x^2+3x-1)=0$$
\begin{array}{c|cc} &1&2&-4&1 \\ 1&&1&3&-1\\ \hline &1&3&-1&0 \end{array}
ステップ3
$$(\underbrace{x-1}_{1つの解})(\underbrace{x^2+3x-1}_{残りの解はココから!})=0$$
1つの解がx=1であることは分かっているので、
残りの解は、2次方程式\(x^2+3x-1=0\)を解けばよい。
2次方程式の「解の公式」を利用して\(\displaystyle{x=\frac{-1\pm\sqrt{13}}{2}}\)
したがって、\(x^3+2x^2-4x+1=0\)の解は
$$x=1,x=\frac{-1\pm\sqrt{13}}{2}$$
補足
ステップ1の因数定理についてはこちらの記事を
ステップ2の割り算に関しては、組立除法を使うとよいと思います。係数を見ながら目で合わせても、因数分解できます。
2次方程式の解の公式についてはこちらの記事を
3次方程式の難しいポイント
3次方程式の難しいポイントは、圧倒的にステップ1の有理数解を見つけることです。
xに適当に代入して「0」になる数を見つけるのは、センスなくて無理!大変すぎ!
と私も思っていました。実は、以下の事実を使うと代入する有理数の候補を絞ることができます。
有理数解はこの中にある!
整数係数の方程式
$$a_nx^n+a_{n-1}x^{n-1}+\cdots+a_0=0$$
が有利数解を持てば、それは
$$\pm\frac{a_0の約数}{a_nの約数}$$
つまり、
$$\frac{定数項}{最高次の係数}$$
のみが解の候補となります。
例題を見ながら、説明します。
例1
\(x^3-2x^2-7x+2=0\)の有理数解の候補は、
$$1,-1,2,-2$$
の4個のみです。この中から探すと、x=−2が解であることが見つかります。
例2
\(2x^3-3x^2-7x+3=0\)の有理数解の候補は、
$$1,-1,3,-3,\frac{1}{2},-\frac{1}{2},\frac{3}{2},-\frac{3}{2}$$
の8個です。この中から探すと、\(\displaystyle{x=-\frac{3}{2}}\)が解であることが見つかります。
これを知っていれば、手当たり次第ではなく見つけられますね。
それでも約数が多ければ、大変、、、
3次方程式は有理数がない時もある
有理数解の見つけるポイント、その後の因数分解の方法もわかりました。
よしっ!これで3次方程式は必ず解ける!
実はそうではありません。悲しいことに今回の方法で解けない場合もあります。
3次関数は必ずしも有理数解を持つとは限らないからです。
そんな時に必ず解を求めることができる方法があります。3次関数の「解の公式」を使うことです。
これは「カルダノの公式」と言われます。かなり複雑な式になります。今後解説します。
大学入試で、出題されるのは、95%以上因数分解できる形で出題されますので、安心して下さい。
まとめ
3次方程式の解き方まとめです。
- 3次方程式は ①有理数解を見つける ②因数分解をする ③2次方程式を解く 3ステップで解きます。
- 有理数解を見つけるコツがあります。
- 3次方程式は、有理数解を持たない時がある。(大学入試ではほとんど出題されません。)
以上3次方程式の解き方でした。重要項目ですのでぜひ理解してみて下さい。
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