
数と式の計算において重要項目である、剰余の定理について解説します!
剰余の定理とは
剰余の定理【公式】
整式P(x)をx−aで割った余りはP(a)に等しい
整式を1次式で割ったときの余りを割り算をせず、代入計算をするだけで求めることができるという便利な公式です。
例題 P(x)=x3+3x2−4x−5 を x−2で割った余りを求めよ。
解答 P(2)=8+12−8−5=7より 余り7
剰余の定理【証明】
剰余の定理の証明は以下の通りです。導出過程もとても大切です。
整式P(x)をx−aで割ったときの商をQ(x)、余りをRとすると
P(x)=(x−a)Q(x)+R と表せる
x=a を代入して
P(a)=(a−a⏟0)Q(a)+R
P(a)=R
P(a)と余りRが等しくなるので証明完了です。
割る式の1次の係数が1でない場合
剰余の定理は割る式の1次の係数が1でない場合も使えます。
整式P(x)をax−bで割った余りはP(ba)に等しい
例題を見てみましょう。
例題 P(x)=x3+3x2−4x−5 を 2x−3で割った余りを求めよ。
解答 P(32)=278+274−122−5=−78より 余り−78
1次式で割る場合は、剰余の定理は使えるわけです。
剰余の定理を利用する問題
さて剰余の定理を利用する問題を解いてみましょう。
例題1
整式3x3+ax2+bx+5をx+1で割ると−2余り、x−2で割ると7余る。このとき、a,bの値をもとめよ。
P(x)=3x3+ax2+bx+5とおく。
x+1で割ると−2余り、x−2で割ると7余るので
剰余の定理より P(−1)=−2、P(2)=7なので
P(−1)=−3+a−b+5=−2⇔a−b=−4
P(2)=24+4a+2b+5=7⇔2a+b=−11
これを連立させると a=−5,b=−1
解けましたね。続いてもう一題解いてみましょう。
例題2
整式P(x)をx+1で割ると−2余り、2x−1で割ると4余る。整式P(x)を(2x−1)(x+1)で割った余りをもとめよ。(19 摂南大)
整式P(x)を(2x−1)(x+1)で割ったときの商をQ(x)、余りをax+bとすると
P(x)=(2x−1)(x+1)Q(x)+ax+b と表せる
整式P(x)をx+1で割ると−2余り、2x−1で割ると4余るので
剰余の定理より P(−1)=−2、P(12)=4 となるので、
P(−1)=−a+b=−2
P(12)=12a+b=4
これを連立させると a=4,b=2
したがって 余りは 4x+2
また途中で使った、以下の事実は重要事項です。
整式をn次式で割った時の余りは、n-1次式以下となる
剰余の定理と因数定理
剰余の定理と似たものに「因数定理」があります
整式P(x)がx−aで割りきれる(x−aを因数に持つ) ⇔ P(a)=0
「割り切れる」ということは、「余りが0である」ということを考えると、剰余の定理からすぐに導くことができます。
代入計算は組立除法を利用することができる
剰余の定理は整式の割り算を代入計算によって求めることができます。
また整式の割り算は、組立除法を使えば簡単に求められましたね。参考は以下の記事。
つまり、代入計算は組立除法を使うことによって求めることもできます。
P(x)=2x3−5x2−x+4 において P(3) を求めよ。
組立除法を利用して、
(x-3) で割った余りは10なので
P(3)=10
2−5−14363621210
代入計算を組立除法で簡単に解くことができます。これは検算などにも役立ちます。
剰余の定理まとめ
剰余の定理の解説は以上です。まとめは以下の通り。
- 剰余の定理は代入計算のみで、余りを求めることができる
- 因数定理は、剰余の定理の余りが「0」のときの状態
- 組立除法を利用して、代入計算を求めることができる
基本をおさえて、着実に次へのステップにしていきましょう。
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