さあ今日は、整数問題です。
素数が題材の問題は大学入試でも毎年様々な大学で出題されます。
重要な確認ポイントもあるので、確認しましょう。
問 \(m^3-n^3\)が150以下の素数となる正の整数m、nを求めよ。
解説
素数は積の形で表すと「1×(素数)」となることをよく使います。
解答 前半
\(m^3-n^3=p\)とする。(pは150以下の素数)
左辺を因数分解して、
\((m-n)(m^2+mn+n^2)=p\)
pは素数なので、 \(m-n\) か \(m^2+mn+n^2\) のいずれかかが1、もう片方がpである。
m、nは正の整数なので、\(m^2+mn+n^2\geq3\) より
\(m-n=1\) \(p=m^2+mn+n^2\) となる
\(m=n+1\) を \(p=m^2+mn+n^2\) に代入して
\(p=(n+1)^2+m(m+1)+n^2\)
\(p=3n^2+3n+1\)
pをnの式で表す事ができました。
pは150以下の素数よりnを絞り込んでから、素数チェックをしていきましょう。
解答 後半
pは150以下より
\(p=3n^2+3n+1\leq150\)
\(3n(n+1)\leq149\)
\(n(n+1)\leq\frac{149}{3}=49.\cdots\)
これを満たす正の整数nは1、2、3、4、5、6
n=1のとき \(p=3\times1\times2+1=7\)
n=2のとき \(p=3\times2\times3+1=19\)
n=3のとき \(p=3\times3\times4+1=37\)
n=4のとき \(p=3\times4\times5+1=61\)
n=5のとき \(p=3\times5\times6+1=91\)
n=6のとき \(p=3\times6\times7+1=127\)
この中で、素数となるのは7、19、37、61、127
(※\(91=7\times13\)で素数ではありません)
よってpが素数となる整数nは1、2、3、4、6
したがって(m , n)=(2,1)(3,2)(4,3)(5,4)(7,6)
まとめ
今回大切なポイントは以下の4点です。
- 整数問題は因数分解して候補を絞り込む
- 素数pは積の形で表すと1×pの形を取る
- 不等式を利用し、候補を絞り込む
- 具体的に数値を代入して吟味する
コメント