3乗根でさらに2重根号になっているけど、、、
どうすれば外すことが出来るの??
そんな方のために記事です。
この記事を読むと
- 3乗根の2重根号の外し方(共役な数、対称性利用)
- 3乗根の2重根号の外し方(外した形を予想)
- 3乗根の2重根号の外し方(文字でおいて、多項式をつくる)
- 3次方程式の解き方
を理解することができます。
この記事は「わか」が執筆しています。
私「わか」(https://twitter.com/wakkachan2019)は、国立大学数学科を卒業後、数学教育に10年以上関わっています。
問題
2重根号を外せ \(\sqrt[3]{5\sqrt2+7}\)
複雑な式ですね、、、
どうすれば、根号を外せるのでしょう。
みていきましょう。
外し方1:共役な数を考える(おすすめ!)
\(\sqrt[3]{5\sqrt2+7}\) の共役な数 \(\sqrt[3]{5\sqrt2-7}\) を考える
それぞれ、\(\alpha , \beta\) でおいて、対称性を利用する
\(\alpha=\sqrt[3]{5\sqrt2+7}\)とおく
この共役な数を考えて
\(\beta=\sqrt[3]{5\sqrt2-7}\)とおく
$$\alpha\cdot\beta=\sqrt[3]{(5\sqrt2)^2-7^2}=\sqrt[3]{1}=1・・・①$$
\(\alpha , \beta\) をそれぞれ3乗して
\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} \alpha^3=5\sqrt2+7 \\ \beta^3=5\sqrt2-7 \end{array} \right. \end{eqnarray}
\(\alpha^3-\beta^3\) を考える
$$\alpha^3-\beta^3=14$$
$$(\alpha-\beta)^3+3\alpha\beta(\alpha-\beta)=14$$
①より\(\alpha\beta=1\) で、\(\alpha-\beta=X\) とおくと
$$X^3+3X=14$$
$$X^3+3X-14=0$$
組立除法をつかって
\begin{array}{c|cc} & 1 & 0&3& -14\\ 2 & & 2&4&14 \\\hline &1&2&7&0 \\ \end{array}
$$(X-2)(X^2+2X+7)=0$$
$$X=2 , X=-1\pm\sqrt{-6}$$
Xは実数なので \(\alpha-\beta=2・・・②\)
\(\alpha^3+\beta^3\) を考える
$$\alpha^3+\beta^3=10\sqrt2$$
$$(\alpha+\beta)^3-3\alpha\beta(\alpha+\beta)=10\sqrt2$$
①より\(\alpha\beta=1\) で、\(\alpha+\beta=Y\) とおくと
$$Y^3-3Y=10\sqrt2$$
$$Y^3-3Y-10\sqrt2=0$$
組立除法をつかって
\begin{array}{c|cc} & 1 & 0&-3& -10\sqrt2\\ 2\sqrt2 & & 2\sqrt2&8&10\sqrt2 \\\hline &1&2\sqrt2&5&0 \\ \end{array}
$$(Y-2\sqrt2)(Y+2\sqrt2Y+5)=0$$
$$Y=2\sqrt2 , Y=-\sqrt2\pm\sqrt{-3}$$
Yは実数なので \(\alpha+\beta=2\sqrt2・・・③\)
②③より
$$\alpha=\sqrt2+1 , \beta=\sqrt2-1$$
したがって
$$\alpha=\sqrt[3]{5\sqrt2+7}=\sqrt2+1$$
入試でよく取り上げる解法です。以下の記事を参考にしてください。
3次方程式を解く際は組立除法が便利です。以下の記事を参考にしてください。
外し方2:外した形を予想
\(\sqrt[3]{5\sqrt2+7}\) を外した形が \(○+△\sqrt{2}\) と予想できる
\(\sqrt[3]{5\sqrt2+7}=a+b\sqrt2\) とおく(\( a , b \) は有理数)
両辺3乗して
$$5\sqrt2+7=(a+b\sqrt2)^3$$
$$5\sqrt2+7=a^3+3\sqrt2a^2b+6ab^2+2\sqrt2b^3$$
$$5\sqrt2+7=a^3+6ab^2+(2\sqrt2b^3+3a^2b)\sqrt2$$
係数を比較して
\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} a^3+6ab^2=7 \\ 2b^3+3a^2b=5 \end{array} \right. \end{eqnarray}
定数項を消すと
$$5a^3+30ab^2-14b^3-21a^2b=0・・・①$$
両辺 \(b^3\) で割って (\(b≠0 \) なので)
$$5(\frac{a}{b})^3-21(\frac{a}{b})^2+30(\frac{a}{b})-14=0$$
\(\dfrac{a}{b}=X\) とおくと
$$5X^3-21X^2+30X-14=0$$
組立除法を利用して
\begin{array}{c|cc} & 5 & -21&30& -14\\ 1 & & 5&-16&14 \\\hline &5&-16&14&0 \\ \end{array}
$$(X-1)(5X^2-16X+14)=0$$
Xは実数なので、\(X=1\)
$$\frac{a}{b}=1\Leftrightarrow a=b$$
①に代入して
$$7a^3-7=0\Leftrightarrow a^3=1\Leftrightarrow a=1$$
よって \(a=1 , b=1\)
したがって
$$\sqrt[3]{5\sqrt2+7}=1+\sqrt2 $$
aとbに関する2式を連立させるところで手こずります。
外し方3:文字でおいて多項式をつくる
\(\sqrt[3]{5\sqrt2+7}=t\) とおいて、3乗
ルートだけ右辺に寄せて、2乗して多項式をつくる
\(\sqrt[3]{5\sqrt2+7}=t\) とおく
両辺3乗して
$$t^3=5\sqrt2+7$$
$$t^3-7=5\sqrt2$$
両辺2乗して
$$t^6-14t^3+49=50$$
$$t^6-14t^3-1=0$$
両辺 \(t^3\) で割る(\(t\neq0\) より)
$$t^3-14-\frac{1}{t^3}=0$$
$$(t-\frac{1}{t})^3+3t\frac{1}{t}(t-\frac{1}{t})-14=0$$
$$(t-\frac{1}{t})^3+3(t-\frac{1}{t})-14=0$$
\(X=t-\dfrac{1}{t}\) とおくと
$$X^3+3X-14=0$$
\begin{array}{c|cc} & 1 & 0&3& -14\\ 2 & & 2&4&14 \\\hline &1&2&7&0 \\ \end{array}
$$(X-2)(X^2+2X+7=0)$$
Xは実数なので \(X=2\)
$$t-\frac{1}{t}=2\Leftrightarrow t^2-2t-1=0$$
\(t>0\) より
$$t=1+\sqrt2$$
tの6次方程式が出てきたときに、どのように処理をすれば良いかが難しいところです。
「複二次式の因数分解」を利用しています。以下の記事を参考にしてください。
※準備中
まとめ:3乗根の2重根号の外し方
「3乗根の2重根号の外し方」のまとめは以下の通りです。
- 3乗根の2重根号の外し方を3通り解説
- 1つ目「共役の数を考えて、対称性を利用」
- 2つ目「外した形を予想して、文字でおく」
- 3つ目「全体を文字でおいて、多項式をつくる」
- 3次方程式を解く時は、「組立除法」が便利
以上で、「3乗根の2重根号の外し方」の解説は以上です。
少しでも勉強の参考になれば幸いです。それではまた。
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