今回は、京大の過去問です。
京大の入試は、積分の計算問題がよく出題されます。
積分計算は確かに複雑な問題も多くあります。
大学入試の積分は一度パターンを身につければ、見通しが立つようになるので、地道に頑張っていきましょう。
問題
曲線 \(y=log(1+cosx)\) の \(0\leq{x}\leq{\frac{\pi}{2}}\) の部分の長さを求めよ(京都大 22)
曲線の長さの公式
\(y=f(x)\)の\(a\leq{x}\leq{b}\)の部分の長さ(弧長)は
$$\int_{a}^{b}\sqrt{1+\{f'(x)\}^2}dx$$
解答
\(y=log(1+cosx)\) の \(0\leq{x}\leq{\frac{\pi}{2}}\)
xで微分する
$$y’=\frac{-sinx}{1+cosx}$$
曲線の長さのLは(公式を利用して)
$$L=\int_0^{\pi}\sqrt{1+(\frac{-sinx}{1+cosx})^2}dx$$
根号の中を通分して
$$L=\int_0^{\pi}\sqrt{\frac{2+2cosx}{(1+cosx)^2}}dx$$
\(\sqrt{2}\)をくくり出して、根号の中は\((1+cosx)\)で約分して
$$L=\sqrt{2}\int_0^{\pi}\frac{1}{\sqrt{1+cosx}}dx$$
分母分子に\(\sqrt{1-cosx}\)をかけて
$$L=\sqrt{2}\int_0^{\pi}\frac{\sqrt{1-cosx}}{sinx}dx$$
ここで\(t=\sqrt{1-cosx}\)とおくと
\(t^2=1-cosx\)
\(2tdt=sinxdx\)
\begin{array}{c|cc} x & 0 & → & \frac{\pi}{2} \\ \hline t & 0 & → & 1 \end{array}
\(cosx=1-t^2\)
\(cos^2x=1-2t^2+t^4\)
\(sin^2x=2t^2-t^4\)
$$L=\sqrt{2}\int_0^{1}\frac{2t^2}{2t^2-t^4}dx$$
$$L=2\sqrt{2}\int_0^{1}\frac{1}{2-t^2}dx$$
分母を因数分解して
$$L=2\sqrt{2}\int_0^{1}\frac{1}{(\sqrt{2}-t)(\sqrt{2}+t)}dx$$
部分分数分解して
$$L=\int_0^{1}\frac{1}{\sqrt{2}-t}+\frac{1}{\sqrt{2}+t}dx$$
ここで積分して
$$L=\left[-log(\sqrt{2}-t)+log(\sqrt{2}+t)\right]_{0}^{1}$$
logの性質から
$$L=\left[log\frac{\sqrt{2}+t}{\sqrt{2}-t}\right]_{0}^{1}$$
$$L=log\frac{\sqrt{2}+1}{\sqrt{2}-1}$$
分母を有理化して
$$L=log(\sqrt{2}+1)^2$$
$$L=2log(\sqrt{2}+1)$$
積分の方法は、他にも何通りかあります。
最後は式を整理しましょう。よく出てくるパターンです。
まとめ
抑えたいポイントは以下の点です。
- 曲線の長さの公式は意味も含めて抑えましょう
- 根号は丸ごと置換すると上手くいくことが多い
- 部分分数分解は必須スキル
- logの性質を利用して、式の整理をして思考をクリアにできるように
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