
高校数学の証明に「互いに素」って出てくるけど、よく意味が分かってない、、、
そんな方のために、
- 「互いに素」の定義
- 「互いに素」の性質
- 「互いに素」を利用した証明
について説明します。
「互いに素」の定義
互いに素の定義
整数p、qに対して
- 共通の素因数を持たない
- 最大公約数が1
- 公約数が1のみ
要するに、「2つの数字を割り切る数字は1以外ありません」ということです。
例えば、(5,9)や(8,15)などです。
(4,6)は2で割り切れますし、(9,15)は3で割り切れるので、「互いに素」ではありません。
「互いに素」の性質
互いに素の性質1
p、qが互いに素の時、qp は既約分数
約分できる共通な素因数がないため、これ以上約分できません。(証明などで、有理数を表すときによく使います。)
互いに素の性質2
互いに素な2整数の積が平方数なら、2整数は共に平方数
2整数の共通の素因数がないことから、2整数の積が平方数なら、2整数を素因数分解すると、それぞれの素因数の偶数乗と表せます。よって2整数は共に平方数となります。
互いに素の性質3
pm , qn が互いに素の時、p ,qは互いに素
p ,q は共通の素因数を持たないので、お互い何乗しても共通の素因数を持つことはありません。
「互いに素」を利用した証明
√2が無理数である
これは大変有名な証明方法です。それでは見てみましょう。
証明 √2が有理数と仮定する。
√2=qp とおく。ただし p , q は互いに素な整数とする。
両辺2乗して 2=q2p2
2p2=q2 よって、q2は2の倍数となるので、qも2の倍数。
q=2kとおくと、2p2=4k2となり、
p2=2k2 よって、p2は2の倍数となるので、pも2の倍数。
ここで、p , q は共に2の倍数となるが、これは p , q は互いに素に矛盾する。
したがって √2は無理数である
他にも、「互いに素」を利用した証明は数多く存在します。「互いに素」を利用して様々な証明問題に挑戦してみましょう。
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