分数と小数の変換について解説します!
今回は、分数と小数の変換について解説します。この記事を読めば、次のことができるようになります。
それでは、見ていきましょう。
分数を小数で表す
分数を小数で表すポイントは、
(分子)÷ (分母)
をすることです。
(1)\(\displaystyle{\frac{3}{4}=3\div4=0.75}\)
(2)\(\displaystyle{\frac{1}{3}=1\div3=0.333\cdots}\)
(上)÷(下)を頭に入れれば、この変換はできますね。
さて、例題で見たように、分数を小数で表した場合2通りに分類することができます。
有限小数…割り切れた小数
例 0.75 、 0.2 、 0.08 等
循環小数…割り切れずに、数字の並びが繰り返される小数
例 0.333… 、 0.2121… 等
有限小数
実は、有限小数になる分数には決まりがあります。
と言われてもすぐには、よくわからないと思うので、例題をみていきますね。
(1)\(\displaystyle{\frac{9}{\color{blue}{50}}=\frac{9}{\color{blue}{2\times5\times5}}=0.18}\)
分母50の素因数は、2と5だけなので、割り切れる
(2)\(\displaystyle{\frac{1}{\color{blue}{8}}=\frac{1}{\color{blue}{2\times2\times2}}=0.125}\)
分母8の素因数は、2だけなので、割り切れる
(3)\(\displaystyle{\frac{7}{60}=\frac{7}{2\times2\times\color{red}{3}\times5}=0.11666\cdots}\)
分母60の素因数は、2と5以外の3があるため、割り切れない
有限小数になるか、循環小数になるかは、分母の素因数を考えればすぐに分かるということです。
有限小数・・・分母の素因数が2と5のみ
循環小数・・・分母の素因数が2と5以外もある
小数を分数で表す
次に小数を分数で表してみましょう
有限小数を分数に
有限小数を分数に直すのは簡単です。
小数第何位まであるか数えて、
第1位であれば、10分の
第2位であれば、100分の
第3位であれば、1000分の
というように表していけば良いです。
(1)$$0.3=\frac{3}{10}$$
0.3は小数第1位まで表されているので、10分の3とする。
(2)$$0.25=\frac{25}{100}=\frac{1}{4}$$
0.25は小数第2位まで表されているので、100分の25とする。約分を忘れず!
有限小数は、小数第何位まで表されているか数えれば変換できます。
循環小数を分数に
循環小数は無限に続いているので、有限小数の方法は使えません。
それでは、循環小数を分数に変換する方法を例題を通してみていきましょう。
(1)\(0.333\cdots\)を分数で表します。
\(x=0.333\cdots\)とおく ・・・①
両辺を10倍すると
\(10x=3.333\cdots\) ・・・②
②ー①を計算すると
\begin{array}{c|cc} & 10x & = & 3.333\cdots \\ -& x & = & 0.333\cdots \\ \hline&9x&=&3 \end{array}
よって\(x=\displaystyle{\frac{3}{9}=\frac{1}{3}}\)
$$0.333\cdots=\frac{1}{3}$$
(2)\(0.212121\cdots\)を分数で表します。
\(x=0.212121\cdots\)とおく ・・・①
両辺を100倍すると
\(100x=21.212121\cdots\) ・・・②
②ー①を計算すると
\begin{array}{c|cc} & 100x & = & 21.212121\cdots \\ -& x & = & 0.212121\cdots \\ \hline&99x&=&21 \end{array}
よって\(x=\displaystyle{\frac{21}{99}=\frac{7}{33}}\)
$$0.212121\cdots=\frac{7}{33}$$
循環小数を分数で表す方法はわかりましたか。
この無限に続くというところで、議論があります。もし興味があればこちらの記事を参考にしてください。
これで、有限小数、循環小数は、分数で表すことができました。
循環しない、無限に続く少数は分数で表せない
さて、小数には、有限小数と循環小数だけではありません。
循環しない無限に続く小数というものもあります。
例えば、\(\sqrt2=1.4142\cdots\)や\(\pi=3.1415\cdots\)などです。
ではこれを分数で表す方法はあるのでしょうか。
実は、分数で表す方法はありません。分数で表すことができないのです。
分数で表すことができるか、できないかというところには大きな壁があります。
ここを基準に数は分類されています。
有理数・・・分数で表すことができる
無理数・・・分数で表すことができない
同じ小数と言っても、
(有限小数、循環小数) と (循環しない無限に続く小数)とでは、大きな違いがあるわけです。
この無理数の発見に関しては、ピタゴラスの物語の記事を
また、 ルート2が無理数であることの証明は、この記事を
参考にしてみてください。
まとめ
- 分数から小数 は (分子)÷(分母)
- 有限小数は分母の素因数2と5のみ
- 循環小数は分母の素因数2と5以外もある
- 小数から分数 は 有限小数、循環小数でそれぞれ方法確認
- 循環しない無限に続く小数は、分数で表せない(無理数という)
以上、小数と分数の変換についてでした。
楽しんでもらえたら幸いです。
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