サイン、コサイン、タンジェントって何だったっけ、、、
そもそもよく分からない、、、
という方に向けて、今回は三角関数について初めから丁寧に解説します。
準備
三角関数を学ぶ前に、事前準備をします。
三平方の定理
直角三角形において
$$a^2+b^2=c^2$$
※斜辺がcであることに注意
三平方の定理を使えば、直角三角形の2辺がわかれば、残りの1辺の長さがわかります。
例題を見ていきましょう。
右の図において
$$x^2=3^2+4^2$$
$$x^2=25$$
辺の長さなので、正の値となります。よって
$$x=5$$
※Cが斜辺になることに気をつけてください。
三平方の定理は、数学者ピタゴラスが発見した定理で、「ピタゴラスの定理」とも言われたりします。
有名な直角三角形の辺の比
小学生の時、使っていた2枚の三角定規ありました。
この2つの直角三角形の辺の長さの比は、覚えておくと便利です。
これは辺の長さではなく、比であるということに注意してください。
「1:2:\(\sqrt3\)」「1:1:\(\sqrt2\)」呪文のように唱えられるようにしましょう。
三角関数について
以上の準備を踏まえた上で、三角関数に入っていきます。
直角三角形による定義
$$sin\theta=\frac{a}{c} \ (\frac{対辺}{斜辺})$$
$$cos\theta=\frac{b}{c} \ (\frac{隣辺}{斜辺})$$
$$tan\theta=\frac{a}{b} \ (\frac{対辺}{隣辺})$$
それぞれ「サイン シータ」「コサイン シータ」「タンジェント シータ」と読みます。
sin、cos、tanは直角三角形の辺の長さを分数で表したもので、辺の長さの比を表している。
直角三角形は、3つの辺があるので、そこから2辺を選んでくると3セット選ぶことができます。それに名前をつけたということです。
相似な三角形は辺の長さの比が同じなので、sin、cos、tanもそれぞれ同じになります。
sin、cos、tanの値は、角度\(\theta\)によって決まります。
例題
定義に当てはめて、sin、cos、tanの値を求めてみよう。先ほどの三角定規の三角形を利用して考えます。
$$sin30°=\frac{1}{2}$$
$$cos30°=\frac {\sqrt3}{2}$$
$$tan30°=\frac{1}{\sqrt3}$$
$$sin45°=\frac{1}{\sqrt2}$$
$$cos45°=\frac{1}{\sqrt2}$$
$$tan45°=1$$
$$sin60°=\frac{\sqrt3}{2}$$
$$cos60°=\frac{1}{2}$$
$$tan60°=\sqrt3$$
これらは、値がきれいになるもので、有名な角度の三角比の値となります。
その他の三角比の値もおおよその値をまとめた表があります。たいてい数学Ⅰの教科書には最後のページに付属しています。表を見れば、三角比の値がわかります。次のサイトを参考にしてください。
三角比の利用
この三角比、何が便利なのかについてです。以下の問題を通じて考えましょう。
図のタワーの高さxを求めよ。少数第1位を切り捨てて答えよ。
$$tan62°=\frac{x}{160}$$
表を確認するとtan62°は約1.8807と分かるので、
$$1.8807\cdots=\frac{x}{160}$$
$$x=1.8807\times160=300.912\cdots$$
よって 高さは300m
1つの辺と角度のみで、他の辺の長さが分かります。sinやcosを利用することで他の辺を求めるなど応用することができます。
三角関数について、前半はここまでとします。
まとめ
- 三角関数sin、cos、tanとは直角三角形の辺の長さの比を表したもの
- sin、cos、tanは角度によって値が決まる
- 三角関数を利用することで、辺の長さや角度などを求めることができる
三角関数について前半はここまで、後編は次回に続きます。
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