静岡大学の入試問題で富士山を図示させる問題が出たという噂が、、、
伝説の入試問題シリーズです。今回は、静岡大学で出題された問題です。なんでも、関数のグラフを図示する問題で、それが富士山の形になるというなんともユニークな問題だったようです。
早速みていきましょう。
問題(富士山図示!)
$$f(x)=\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x^4-x^2+6 \quad (|x|≤1)\\ \displaystyle{\frac{12}{|x|+1}} \quad (|x|>1) \end{array} \right. \end{eqnarray}$$
$$g(x)=\frac{1}{2}cos(2\pi x)+\frac{7}{2} \quad(|x|≤2)$$
で定義する。このとき、次の問いに答えよ。
(1)\(f(x)\)、\(g(x)\)の増減を調べ、2曲線\(C_1:y=f(x)\)、\(C_2:y=g(x)\)のグラフの概形を同じ座標平面上にかけ。
(2)\(C_1\)、\(C_2\)で囲まれた部分の面積を求めよ。
(2000・静岡大学)
解説
それでは、解説いきます!
(1)富士山図示 解説
y=f(x)のグラフを考えます。
1.|x|≤1のとき
$$f(x)=x^4-x^2+6$$
$$f'(x)=4x^3-2x$$
$$f'(x)=4x(x+\frac{1}{\sqrt2})(x-\frac{1}{\sqrt2})$$
となるので、増減表は
\begin{array}{c|ccccc} x &-1& \cdots & -\frac{1}{\sqrt2} & \cdots & 0 & \cdots&\frac{1}{\sqrt2}&\cdots&1 \\ \hline f’(x) &&-&0& + & 0 & – & 0 & + \\ \hline f(x) & 6&\searrow & \frac{23}{4} & \nearrow & 6 & \searrow &\frac{23}{4}&\nearrow&6\end{array}
したがって、グラフは
となる。
2.|x|>1のとき
まず、x>1を先に考えて、
$$f(x)=\frac{12}{x+1}$$
これは、分数関数で
$$\lim_{x\to1}f(x)=6\quad\lim_{x\to\infty} f(x)=0$$
に注意すると、
となる。
次に、x<-1を考えると、
$$f(x)=\frac{12}{-x+1}$$
となってこれは、x>0のときのグラフと、y軸に対象になっているので、
となる。
次に
$$g(x)=\frac{1}{2}cos(2\pi x)+\frac{7}{2} \quad(|x|≤2)$$
を考える。
これは、コサインのグラフなので、
これらを全て同一座標平面上に表すと、
となる。
富士山が登場しました!静岡大学の富士山愛を感じますね。対称性、分数関数、4次関数、三角関数など様々な要素を必要として面白い問題ですね。
(2)求積 解説
あとは、積分によって面積を求めましょう。
図の面積を求める。y軸対称であることから、x>0の場合を求めて2倍すればよい。
まず図の面積を求めます。
$$\int_0^1(x^4-x^2+6)-g(x)dx$$
$$=\left[\frac{1}{5}x^5-\frac{1}{3}x^3+6x\right]_0^1-\left[G(x)\right]_0^1$$
$$=\frac{88}{15}-G(1)+G(0)$$
次に図の面積を求めます
$$\int_1^2(\frac{12}{x+1})-g(x)dx$$
$$=12\left[\log(x+1)\right]_1^2-\left[G(x)\right]_1^2$$
$$=12\log\frac{3}{2}-G(2)+G(1)$$
ここで、
$$G(x)=\int\frac{1}{2}cos(2\pi x)+\frac{7}{2}dx$$
$$G(x)=\frac{1}{4\pi}sin(2\pi x)+\frac{7}{2}x+C$$
より\(G(2)=7\quad G(0)=0\)なので、
2つの部分の面積を合計して、
$$=\frac{88}{15}+12\log\frac{3}{2}-G(2)+G(0)$$
$$=\frac{88}{15}+12\log\frac{3}{2}-7$$
$$=-\frac{17}{15}+12\log\frac{3}{2}$$
これを2倍して
$$=-\frac{34}{15}+24\log\frac{3}{2}$$
富士山の、積雪部分の面積も求めることができました。
まとめ
- グラフを図示すると、富士山登場!
- グラフを書く際、面積を求める際 対称性を利用
さすが、静岡大学、富士山大好きですね。
受験生は、この問題を解いたときどう感じたでしょうね。「ほっこり」する暇は流石になく、積分計算をしたのでしょうか。
それでは、「伝説の入試問題シリーズ」以上です。
少しでも楽しんでもらえれば幸いです!
コメント
f'(x)の増減表ですが、f'(x)=0となるのはx=0,±1/√2 ですね。それにしても面白い問題です
ご指摘ありがとうございます。訂正いたしました。
面白い問題ですね。